「野外民族博物館」にドラゴンボールの世界を垣間見た
同人誌「鳥山明巻末コメント全集」の原稿執筆のため、過去の巻末コメントを全てチェックする作業をしていた時に、ふと気になる点がありました。
1986年31号で、鳥山センセが次のようなコメントを残しています。
「世界民族博物館にいってきました。
ドライブがてらいろんな生活ぶりを観察してきたので
漫画の参考にしたいです<明>」
う~ん…世界民族博物館…漫画の参考…気になる…。
で、このような施設があるのかどうか調べてみた所、どうやら愛知県犬山市にある「野外民族博物館 リトルワールド」らしい。
うむ、たしかにこの場所なら、鳥山センセの暮らしている清州市からも程近い。
ドライブがてら立ち寄れる距離なので、ほぼここで間違いないだろう。
そのコメントは「其之八十一 追ってペンギン村!」の掲載号。
一体鳥山センセは、この場所で何を見て、作品にどう活かしたのでしょうか。
色々思い悩んでいても仕方ないので

来ちゃいました!
鳥山センセが訪れてから実に27年経過しているので。
当時の展示物もどこまで残っているのか。
大きく変化があるかも知れませんが・・・
とにかく中に入ってみましょう。
ここ「リトルワールド」は、世界各国の衣・食・住をはじめとした民族文化を紹介している、日本で唯一の「野外」民族博物館。
名古屋鉄道が、犬山の観光開発のために出資して、1983年3月18日に開園。
「世界中で古民家を買い付け、移築する」というものが特徴で。
現在22ヶ国、33施設が、現地から移設されているそうです。
入園すると一日で世界一周が体験できるというのが売り。
「現地の建物に似せて作る」じゃなく「本物を移築」してるってのが凄い!

広大な土地に、世界各地の民家が立ち並びます。

広大すぎて、敷地内を周遊するバスと、バス停があるほど・・・。

行先表示板がなかなかのカオスっぷり・・・
その中のひとつに、目を奪われました。

「北アメリカ 平原インディアンのテント」。

このテント、アレに似てますよね。そう、アレ。

聖地カリンに住む原住民、ボラとウパが生活していた、あのテント。
北米のネイティブアメリカンを題材にしている事は明らかでしたが、このリトルワールドを観察し、作品に反映していたのでは…!?
作中に聖地カリンが登場するのは、3週後の1986年34号「聖地カリンの親子」。
時期的にもビンゴ。うーむ、ますますこの説が有力な気がする。
ちなみに。
天下一武道会の会場であるパパイヤ島は、そのバリ島がモデルになっている事は有名です。
この「リトルワールド」にも、バリ島の住居が再現されているエリアがありました。

「インドネシア バリ島貴族の家」の写真がコチラ。
(家を丸ごと持ってきてるんですよ。本当にスゴい…)

この雰囲気・・・!

まさにパパイヤ島。まさに天下一武道会会場!!

今にもブルマや亀仙人が、雑踏の中からひょこっと顔を出しそうな雰囲気なのであります。
これにはペキンさんもちょっぴり感動。

野外に移築された民家以外に、屋内にも、世界各国の民族衣装や生活用具などが展示されています。

このあたりからも、何らかのインスピレーションを受けていたのかもしれません。
この「リトルワールド」があったからこそ。
あの国際色豊かな「ドラゴンボール」の世界観が生まれていたのかもしれない。
・・・と、実際にこの場を体験してみて思ったペキンさんでありました。
【おまけ】各国の古民家写真集
| ドラゴンボール | 23:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑