「鳥山 明 The World of DRAGON BALL」見てきました!!
3月には大阪会場にも参加していたのですが。
これを最後に、鳥山明センセの生原稿を見る機会もしばらく無いのかも・・・
と思うと、いてもたっても居られず。
気が付いたら、片道2時間かけて、開催場所である名古屋・松坂屋美術館の前に。

会場内では一切写真は撮影出来ないので、文字と再現画像によるレポートになります。
会場内は大きく分けて7つのゾーンから構成されていて、以下の通りになっています。
[一星球]ドラゴンボール全史ドラゴンボールのストーリーが、壁一面にずらりと記載されてます。
[ニ星球]キャラクターウォールドラゴンボールに登場する、500体以上のキャラクターが壁一面に!圧巻!!
しかし、一星球、二星球の内容はパンフレットにも記載されているので、あまりじっくりとは観察せずスルー。
[三星球]コミック原画ギャラリー今回の目玉!過去の展覧会
「鳥山明の世界」展では公開されていなかった、モノクロ原稿がどーんと展示されている。
これを眼福と言わずして何を眼福と言いましょうか!
そんなコミック原画ギャラリーで、新たな事実に気付くのでした。
鳥山センセの漫画原稿・・・
バードスタジオ専用の原稿用紙に描かれてる・・・!!
これは20年間以上DBファンやってきて初めて知った事実。
描かれている原稿用紙なんですが、いくつかの時代に分かれているようでしたので。
ちょっと再現画像を使いつつ、体系別に分けてみたいと思います。
1期:普通のケント紙
ごくごく普通のケント紙。
昔はケント紙を重ね、千枚通しで穴を開け、その穴と穴を線でつないで(ものさしを当てて鉛筆で線を引く)。
そんな作業を1枚、1枚繰り返して、やっと漫画の枠線を描く事ができていたのです。
当時超売れっ子だった鳥山センセが直々にやっていたなんて・・・ああ、もったいない!!
歴代の漫画原稿を拝見すると、少なくとも第249話「ベジータのスーパーパワー」(1989年49号)まではこの方法で漫画を描かれていたようです。
しかし、生粋の「めんどくさがり」で知られる鳥山センセ。
そりゃあ専用の漫画原稿用紙があったほうが、描くのが楽になるというもの。
そこで鳥山先生、自分のアトリエ用に専用の原稿用紙を作られた模様。
2期:専用原稿用紙
展覧会の会場で、ノート片手にスケッチした物を元に再現してみました。
こんな感じの、専用の原稿用紙を使って原稿が描かれていました。
展示されていた中では、257話「怯えるドドリア」(1990年6号)~404話「発進!超孫悟飯」(1993年3・4号)までの原稿はこのタイプの原稿用紙に描かれていました。
で、個人的にビックリしたのは。
カラー原稿だと、青色で印刷されている専用の原稿用紙って使えないですよね。印刷に出ちゃいますから。
普通は真っ白の原稿用紙を使って描くのですが。鳥山先生の場合は・・・

よ~くカラー原稿を見ると・・・うっすらと反転した「BIRD STUDIO」の文字が。
まさかの
「原稿用紙の裏を使ってる」!!!
この原稿用紙への
「こだわりの無さ」、いや本当に鳥山センセらしいと思いました。
しかし、ここで異変が。
415話「孫悟空からのメッセージ」
416話「かめはめ波対かめはめ波 最後の決戦」(1993年16~17号)
の原稿を見ると、再びあの「千枚通し」で穴を開けた、普通のケント紙に戻っている。
察するに、用意していた「特製原稿用紙」の在庫が無くなったのかもしれません。
おりしもストーリーは、セルとの最後の決戦。
原稿用紙を手配するヒマも無かったのか、発注する事すら面倒だったのか・・・
ひょっとすると
「この原稿用紙を使いきるまでは連載しないだろ」という思いもあったのかも知れません。
3期:専用原稿用紙・改
初代の原稿用紙よりも、いささかシンプルなデザインになっています。
会場で見る事が出来た中では、464話「ベジータ最後の決死戦」(1994年17号)で使われていました。
このような専用の原稿用紙があった事にも驚きですが、その使われ方を見てみても、鳥山センセの人柄が伝わってくるようで、なんだかより楽しく原稿を見る事が出来ました。
これはいい体験ができた!!
[四星球]カラーイラストギャラリー20年前の「鳥山明の世界展」でも存分に堪能したカラーイラスト達。
あらためてまたお会いできました・・・感動の再会。
そしてやはり、ため息の出る位の画力。
「細かな所まで描きこんだ、緻密なイラスト」=「画力あり」という風に捉えられがちですが。
シンプルな構図、シンプルな線画、シンプルな色使いにも関わらず、完成した絵にものすごい安定感があるというか、見ていて安心する絵というか。
・・・なんかこう上手く言えないんですが、シックリ来る絵。見ていて疲れない絵。
鳥山センセのイラストって、そんな魅力にあふれていると思うんです。
いやはや素晴らしい。
[五星球]ドラゴンボールお宝ミュージアムバンダイ所蔵、野沢雅子さん所蔵のDB激レアアイテムや、世界各国のDVD・単行本が展示されていました。
これでも世界に数多あるDBグッズの、ほんの一握りなのですから。そりゃもう。
[六星球]アニメギャラリーDB、DBZ、DBGT、そして今まで放送されてきた17本の劇場版の設定資料、セル画、台本、映像が展示されている夢のような空間。
本当に写真に収められないのがつらい・・・つらすぎる。
最新作「神と神」の絵コンテも公開されていたので、この目にしっかと焼き付けておきました。
[七星球]スペシャルギャラリー世界各国のTVアニメ「DBZ」、そして鳥山明センセ&野沢雅子さんのスペシャル対談が20分おきにループ再生されていました。
もうここでしか聞けない内容で大興奮ですよ。
これはここでしか聞けないのは本当にもったいない!
ですが、撮影・録音は禁止との事・・・。
なので、2時間も3時間も粘りに粘って、何度も何度もインタビューに耳をかたむけ。
対談の内容を筆記にて、文字に起こす事にいたしました。
後日のエントリで、対談の内容について紹介してみたいと思います。
いや~…やっぱり行って良かった。
またしてもグッズに浪費してしまいましたが、それでもやはり、行って良かった!
あと1週間と少しで終了してしまうこの展覧会、是非!一度行ってみるべきかと思います。